写真の楽しみ方を提案している男女2人のワークショップユニット「トラベラーズノートはりはり会」 のお二人に、写真を通じたコミュニケーションのことをうかがってきました。
難しい技術も道具も必要なく、誰でも気負わず自由につくることができる「旅の日記帳」 。この表現をもっとたくさんの人たちに知ってもらいたいと始めた、楽しさ広がるワークショップのご紹介です。
——いつからワークショップ活動をはじめられたのでしょうか?
細井研作さん(以下Hさん):トラベラーズノートはりはり会としては7年前(2011年)トラベラーズノート(渋谷区恵比寿本社)の直営店TRAVELER’S FACTORYが中目黒にオープンし、2階のスペースを利用してゲリラ的に2か月に一度くらいのペースで行っていたワークショップがはじまりです。
東急ハンズさんでのワークショップは、2年前(2016年)に、ブングテンというイベントに来場されていた東急ハンズ横浜店のスタッフさんに声をかけていただき、その後メンバーの佐藤弥生さん(以下:Yさん)とスタッフさんとの間でとんとん拍子に話が進み、開催することが決まり現在に至っています。 今では定期的にワークショップを開催するようになりました。
そのブングテンというイベントに参加して、トラベラーズノートのコレクターさん、文具マニアの方、クリエイターさんなどとも知り合うことができ、ノートを見せ合ってコミュニケーションツールにしたり、使い方の発見に驚いている様子を通して現在のインスタグラムの代わりのように使っているなと感じたことを覚えています。
——プリントした写真をノートに貼るうえで、このトラベラーズノートを選んだ理由は?
Hさん: はじめは他のノートを使っていたんですが、決まった場所、決まった日付に写真を貼るというのがどうもしっくりこなかったのと、僕自身、革(カバー)の文房具にあこがれもあり、このノートを使い始めました。手なじみのよい革でしっくりくるんです。あとは中が無地なので自由に貼れるので使いやすさを感じました。
Yさん:マスキングテープ、スタンプ、レシート、チケット、包装紙……など、現地で出会った旅の思い出はとても楽しく、大切なものなので紙一枚でも捨てたくなのですが、溜まっていってしまうんです。それを一冊にしてしまおう。という発想でこのノートにまとめはじめました。 観光案内所や旅行先でもらえるパンフレットも折りたたむとちょうど収まります。
アジア圏で人気の高いトラベラーズノート。このノート自体もコレクターがいるほどの人気商品。
——「旅の日記帳」を作る上でやはり写真がピッタリでした?
Hさん: 自分にとってコミュニケーションを楽しむツールであった写真というのが一番しっくりきました。
絵、文章、イラストなどは書くこと自体にハードルが高く、書くことを意識しすぎて疲れてしまうので(笑)。
Hさん: 僕はデジタル人間で、とにかくスマホでもたくさん写真を撮るので、スマホアプリで加工したものもたくさんプリントができるのが楽しかったし、このノートに貼るのにはとても使いやすいと思ったんです。
スマホからのプリントならハードルも低く誰でも楽しむことができて、こういうのはデジタルのメリットだなと感じました。広げると正方形のノートなので使いにくいこともあるんですが、ここは思い切って写真を小さくしたり、切り抜いたりして楽しんでしまおう!と思ったんです。
※スマホの中の写真を小さくプリントする「分割してプリントできるアプリ」は下記の記事も併せてご覧ください。
——そんな「旅の日記帳」を作る上でのこだわりなどありますか?
Hさん: 革のカバーも良かったんですが、表紙も無地なので中身が伝わるデザインにしたくなって、今では 表紙にピッタリくる紙探し、デザインを考えるという目的もできました。
まず旅に出たら日記帳を作る
ことを考えながら行動するのが楽しみのひとつです。写真を重ねるときの背景になる紙、あるいは
写真を決めるのもこだわりポイントです。
——ワークショップにはどんな方が参加されるのですか?
Hさん: 最近は「モノからコト」を探しているお客様も多く、WEBで検索して興味を持ってきてくださる方が増えました。
ある日、お子様連れでご来店されたお客様の子どもさんが、突然「これがやりたい!」と言って参加してくださったのがとても印象的で、親御さんも驚くほどの熱中ぶり。何かに目覚めたのかと思うほど、真剣に取り組んでいた姿が頼もしかったし、楽しそうで嬉しかったですね。
Yさん:お子さんの夏休みの宿題にも楽しんで取り組んでもらえます。30~40代の女性も多く、マタニティフォトを一冊にまとめていらっしゃる方もいました。参加されるお客様それぞれの生活ベースでいろんな写真の楽しみ方を広げています。
——このワークショップをやっていて嬉しかったことは?
Hさん:言葉の通じない(外国人の)友人が増えました(笑) 写真とノートを見せ合ってそれだけで通じ合うことができてしまうんです。
また、遠方から東京に出てきた際に気にかけて立ち寄って顔を見せに来てくれる友人もいて、嬉しいですし感謝しています。
Yさん:私自身が「持ってるモノ、さてどうしよう?!」と思っていたり、悩んでいたりしたことを形にしたことでお客様が「あゝ、こうしたらいいのか。」と共感してもらえて、役に立てた時が嬉しいんです。
楽しそうにお話をしてくださるお二人ですが、実は初対面でのお話はあまり得意ではないのだとか。でも、このノートと写真のおかげでいろんな人と会話することが楽しみの一つになったそう。
家と職場の往復だけでは感じることのできない楽しさ、コミュニケーション、知らないことをこの場で共有する嬉しさと、写真の持つ力がここにある。と感じた素敵な時間でした。
はさみやのリ、マスキングテープといった身近な文具と、プリントした写真から生まれる「つくる・見せ合う
両方を一度に体験でき、写真の楽しみ方が広がるワークショップ。あなたも参加してみては?
最新のワークショップ情報はこちらからご確認ください。
◆「トラベラーズノートはりはり会」次回ワークショップ
東急ハンズ横浜店7階 TEMIRU WORK SHOPにて開催
【開催日】2018年4月28日(土曜)
【時間】11:00~18:00
【参加費】ノート付き1000円(税抜き)/ノート無し700円(税抜き)
【制作時間】60分(お一人様)
【プロフィール】
<トラベラーズノートはりはり会>
https://hariharikai.amebaownd.com/
マスキングテープを好きなようにペタペタ貼りながらオリジナルノートを作り、新しい暮らしを発見するコミュニケーションワークショップを行っている旅とイベントのユニット。
文具メーカーの公式サイトにノートの使い手プロフェッショナルユーザーとして登場している映像編集が大好きなKEN3TVこと細井研作と、ライブカメラマンであり、旅と落語とハンドメイドが大好きな佐藤弥生の2人で活動中。
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